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2011/07/23

2011 7/23 ミツバチの羽音と地球の回転

2011 7/23 原子力発電とエネルギー問題を考える映画のつどい


新長田は阪神大震災の際に甚大な被害のあった場所、そのため町全体がきっちりと区画整理された非常に人工的な街でした。駅からすぐ近くの公園には懐かしい「鉄人28号」が実物大で置かれていました。


定刻30分前に開場入り。
当日券を買った方は、この用紙に署名してください!と言われムカついてました。
私は建設反対ですが、映画と署名は別物。なのであっさりと拒否させていただき着座しました。
会場には80人くらい、手作り感のある運営側なので前述のやり取りは何かの手違いがあったのだろうと思うようにしました。
資料の中には【MBS 種まきジャーナル】でお馴染みの、京都大学・原子炉実験所の小出 裕章さんが3/20に山口県柳井市のアクティブ柳井で講演された際の資料がつけられていました。
原発の構造や危険である理由、そしてどうすれば良いのか・・など・・すっごくよくわかります。

<柳井での講演会(参考)>



<映画:ミツバチの羽音と地球の回転 オフィシャルサイト

舞台は山口県上関町の祝島。数年前にUターンしてきた山戸孝さんを追ったドキュメント。祝島は人口わずか500人に満たない小さな島、その対岸、真向かいにあるにある長島の田ノ浦に中国電力が原子力発電所を建設しようとしています。
建設のためには地元の認可が必要なわけですが、祝島の住人の9割が建設反対、しかし上関町としては6割が賛成しているのが現状。

当然、原発が建設されると、地元の基幹事業である漁業に影響がでるから強固に反対運動を繰り広げています。また、祝島は1000年以上前から続く伝統的な祭り「神舞」は4年に一度行われますが、この建設騒動で2回続けて中止になっています。

と・・・ここまでは私の認知の範囲だったわけですが実際はそれだけではありませんでした。

この祝島周辺は豊後水道の黒潮がが周防灘に流れ込み瀬戸内海に豊かな資源を運んでいます。
その為世界的にも稀有な水鳥を初めとするすばらしい生態系が守られています。

原発は、海水を取り入れて炉心を冷却し海水を放出します。その際に現在の海水より7度高い海水を1秒間に190トンを放出。そしてその海水は次亜塩素酸ソーダという化学薬品を含んでいるとのこと。これにより世界遺産に匹敵するこの自然を破壊することは間違いありません。
また、東日本大震災のような災害が起こった場合、九州北部や四国・・そして瀬戸内海全体に、まで影響を及ぼすかもしれないのです。

上関役場での議会に詰め寄るシーン、中国電力との激しいやりとり、また中央省庁へ署名を届けた後の説明会等、自分達の生活を守るために懸命に訴えかけるそのシーンに胸を熱くしました。デモや座り込みをする住民の裏をかくように規約を破り、半ば騙すようにして海にブイを打ち込んだ中国電力。
「年々住民が減っている」「1次産業だけでは限界がある」等、中国電力側が拡声器を使ってデモ行動に対し説得しているが、山戸孝さんを初め沢山の方々が様々な取り組みで新しい産業を興そうとしている。中国電力に発言で「絶対に海は壊れません」という発言はあまりにもふざけすぎ。モノを知らなさすぎ。

そして舞台はスエーデンのオーバートーネオ市、ヨッテポリ市、ストックホルムの事例を紹介。脱原発を国民投票で決定し風力発電や地域暖房、太陽熱、波力発電、酪農の超合理化と電力の自由化により、原子力や石油で作られた汚い電気を選ばずにキレイな電気を使うことを選択できる

最後にまた舞台は祝島に戻り、山戸孝さんらが海辺でひじきをはじめとする海産物を採っている。自分達の為に半農半漁の産業以外にも、枇杷、ひじき、もずく等のフードやエコツーリズム等、新しい産業を興す事が将来に繋がり、自分の子供や孫達にキレイな海を残すことが義務だと締めくくられ、135分の映画が終わり、満場の拍手が起こりました。

<長島の自然を守る会代表の高島美登里さんの講演>がありました。
高島さんは、2年前より上関に移り住み団体を主宰、長島の自然保護の見地から原発建設反対を強く訴えかけておられます。
海草類では日本海側にしか生息しないといわれている「スギモク」が、貝類ではナガシマツボ、ヤシマイシンなどの貴重種が、また人類の進化の研究を大きく発展させるナメクジウオという背骨の無い脊椎動物等が。哺乳類ではスナメリが自生、世界的に絶滅寸前のカンムリウミスズメが住んでいることがわかりました。

そして最後にはなんと、今回の映画を監督さんの鎌仲ひとみさんが駆けつけてこられてお話をくださいました。
イラク戦争で使用された劣化ウラン弾は原発から作られた化学兵器で、その影響で子供達が被爆して亡くなっている現実を見てこられました。
中国電力へ取材の申し入れをするも「激しい拒否・・」。六ヶ所村の原子力担当者は「確かに放射能を拡散しているが大丈夫です!大気に放出することで薄まりますから!」という大胆発言!

私達が電力会社を選ぶことが出来ないことを利用して、原発が無いと電気が止まるがごとく洗脳する各電力会社。各国は環境保全に取り組んでいるのに日本はどうなっているんだろう。本当に原発が無いと私達の生活は本当に麻痺してしまうのでしょうか?

本当に考えさせられた一日でした。